まー、詳しいことはバリっと省くとして(笑)、
侯爵家所蔵の作品群、まずは絵画から――

狩りの後にニンフと一休みしているディアナ(ローマ神話の月の女神)があまりにもおっさんくさいとか、

井戸端でサマリアの女と話すキリストがあまりにも普通のおっさんらしかったり、

描かれているムガール人と中国人が判で押したように、みんな同じひげを生やしているとか、

ツッコミどころが満載で面白かった。

磁器と金の組み合わせという、ゴージャスを目指しているのか、シンプルを目指しているのか
分からない組み合わせの燭台も面白かった。


さらに笑ったのが、今回の目玉の1つ、天井画。
・占星術の寓意 ← おっさんが若い娘の手相を見ている
・彫刻の寓意  ← 職人が赤ん坊の口に乳房を含ませる女性の彫刻を下からニヒニヒ見上げる
・絵画の寓意  ← おっさんが若い娘の肩に手を置いて指導する
・音楽の寓意  ← 唯一まじめで実直そうなおっさんが登場 ひたすら楽譜を見ながら演奏

と、4枚中3枚までが「おっさん、それセクハラやろ」の図だったという(笑)


そうそう。超豪華なジョッキにほどこされた(彫刻?)のモチーフは、
「子孫繁栄のために、隣り村に娘たちを強奪しに行ったローマの男たち」という
しょーもない犯罪に手を染めた男たちと犠牲に遭っている娘たちが「あーれー!」と
叫んでいる図。

えーと、リヒテンシュタイン侯爵家の家訓は、
・当主は目利きであること。
・美術品収集は一族の義務
らしいのだけれど、
そんな激しく犯罪に手を染める男たちと犠牲者が描かれた(しかも)ジョッキは
わざわざ買わなくてもいいんじゃね? と思ってしまった。
(まー、彫刻としては確かに立派だったけど。笑)

そーいえば、チケットに女の子の絵が載ってるんだけど、これ、実はルーベンスの娘がモデル。
まー、コレクションの1つだから、これにしたんだろうけどさ、
だったら、リヒテンシュタイン侯爵家の娘の寝顔を使った方がよかったんじゃない?と
思っちゃった。あどけなくてかーわいんだ、この子が。


※象嵌の立派なテーブルとか暦とかタペストリーとか家具とか、巨匠の絵とか見所たっぷりの
展覧会でしたよ!! (念のため 笑)

コメント

G−dark
2012年12月24日14:05

天照大神さんのこの記事を読んで、逆に興味がわきました(笑)
しょーもないもの好きにはたまらないかも…。

天照大神
2012年12月24日16:00

■G-darkさん
逆に(笑)

いや、すべて立派な美術品なんですよ!
立派なんですけれども、なんというか……
そこに美術を楽しむ価値観の多様性を見出すことのできる貴重な時間を持てました!!

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