【ある意味ネタバレ】ボラット 思い込みって恐ろしい…
2007年7月4日 映画 コメント (2)DVD 映画には、一度観たら忘れられないほどインパクト大のキャラがいるが、このボラットもその典型例。濃い眉と口ヒゲに、いつも同じスーツ。怪しげな英語をハイテンションでまくしたてる。カザフスタン国営TVのレポーターである彼が、アメリカで突撃取材番組を撮るために渡米。各地で大騒動を起こしていく。ボラットを演じるサシャ・バロン・…
いや〜、全世界で話題になったというこの映画が、
なぜ大々的に全国ロードショー展開されなかったのか、その理由が分かった。
がっはっはっはっはっはっ。これは無理だわ。(笑)
とにかく、この主人公のカザフスタン国営放送のリポーター、ボラットが濃すぎる。(← 一応、ほめている)
無知がゆえにユダヤ人を差別し、無知がゆえに女性蔑視な発言を繰り返し、
田舎モノなゆえに挨拶が長く(しかも、同性に対してはキスしまくる)、
洗練されてないがゆえに障害者を笑う。
だけど、田舎モノゆえの素朴で純情な面も持ち合わせいる。
ボラットに接したアメリカ人は、「政治的な正しさ」に縛られて、本当は自分もボラットと
同じように思ったり感じたりしていることがあるんだけど、そうだとは言えずに固まる。
そして、自分には言えないことをあまりにもはっきり言ってしまうボラットを見てボウゼンとする。
あるいは、ボラットの言動そのものに不快感を覚えて怒り出すわけさ。
実はこれ、田舎モノで文化的に遅れをとっているカザフスタン人のびっくり仰天な言動に
うろたえるアメリカ人を見て笑うというシニカルコメディなのだ。
でも恐らく、日本人の多くは、アメリカ人の反応を見ずに、ボラットのありえない言動に
不快感を覚えて怒り出すんじゃないかなー。
現に、映画館には「ここ、笑うところなの?」( ゜Д゜)ポカーン な人や、
「不謹慎だわ!」ヽ(`Д´)ノ と怒る人が続出してたもん。
映画館を出てエレベータに乗ったらば、乗り合わせた女子は、
「こんな映画だと思わなかった!! 」と怒ってたし。
まー、『ミスター・ビーン』と『モンティ・パイソン』の流れを汲む、
『宇宙船 レッドドワーフ号』を3倍くらいえげつなくした映画だといえばいいのかな。
『ビーン』と『パイソン』すらもダメって人は絶対受けつけられない映画だな、こりゃ。
え、私? すんません。 大笑いしました。
ちなみに、製作・脚本・主演は、ケンブリッジ卒のエリートコメディアン。
このボラットというキャラは、彼の持ちネタだそーだ。
ボラットは、映画の中でさんざんユダヤ人差別をするんだけど、実は演じてる本人がユダヤ人というこれまたシニカル極まりないツクリ。
ナニが驚いたってこの映画、全部がヤラせ(演技)ではなく、
中にはカメラ持ってゲリラ的にアメリカの一般ピーポーを撮影しちゃったシーンもあるらしく、
その一般ピーポーから訴えられちゃったりしてるらしいこと。
アメリカで一人ぼっちになってしまったボラットをキャンピングカーに乗せてあげて
なぐさめてあげた大学生の集団(全員男子)は、ベロンベロンに酔っ払ったあげく
「アメリカも奴隷制度が必要だー」「ロシア女とヤったんだろー」発言を連発。
実はこれ、演技じゃなかった!(笑)
でもまー、見てる方にしてみれば、若くて無知で怖いもの知らずの大学生だし、酔っ払ってるし。
人間、酔っ払ってるときは、思ってないことも、思ってるけど言えないと思ってたことも言っちゃうよ、
と思うんだけど、彼らは「映画を見た親族や友人から白い目で見られて精神的苦痛を味わった」と
映画会社を訴えたそーだ。
あ〜あ。(笑)
しかし、正直に告白すると、
私が事前に読んでいったのは、すごく大まかなあらすじだけだけで、
『ライフ イズ ビューティフル』のロベルト・ベリーニみたいな田舎モノ(素朴でほのぼの系ユーモア)が
出てくるのかな、と期待していったので、私も最初は「……こ、これは笑っていいのか?」と思ったクチ。
でも、映画の冒頭部分で、ボラットがいきなり自分の妹を
「国の売春婦大会で4位をとりました!!!」と自慢げに紹介する場面を見た瞬間、
ギアが『レッドドワーフ号』モードに…。(笑)
そっからはゲラゲラ笑いまくり、多分、隣りの席の人はひいていたと思われ。
あはははは。
ま、いっか。
公式サイトはこちら http://movies.foxjapan.com/borat/
コメント
私もBoratで大笑いしましたクチです。
是非AliGもご覧くださいませ。
AliGは西ロンドン、ワーキングクラスの若者ですが、
著名人にインンタビューという形でBorat並みに
相手をおちょくってしまいます。
面白いですよ。
おおおおお。 それは面白そう>Alig
よし、チェックしてみます!
ありがとうとございます。