どうやら、私はラヴェル(←『ボレロ』を作曲した人)とは多少相性が良いらしい。

哀愁を帯び、感傷的でありながらも感情に流されすぎないこの曲は
実は私のお気に入りである。

(確かに私はクラシック音楽が嫌いだが、好きな曲がまったくないわけでは
 ないのだ)

私が抱くイメージは、
自分の娘が亡くなってしばらく経った後に、ようやく少し落ち着いて
娘のことを考えることができるようになった王様(でもなんでもいいんだけど)が、
悲しげな微笑みを浮かべながら、友人や家族、はたまた王家の執事と
娘の思い出を語ってみるというもの。
あるいは、美しい王女の関係者(家族・友人)が、彼女の死後数ヶ月、
あるいは数年経ってもなお彼女を惜しむというもの。

なのだが……

ラヴェルがインスピレーションを得た王女というのが、
17世紀スペインの宮廷画家、ディエゴ・ヴェラスケスが描いた絵だ
というではないかーーーーーー!!!!

えええええええええ!!!!

ということは、その王女ってのは、フェリペ4世の娘、マルゲリータかよっ!!!

家族全員同じ顔の、あのマルゲリータぁぁぁぁぁぁ????

あぁぁぁぁぁぁ、齢8歳にして、けっしてハンサムとは言えない
(いや、むしろ…な)父親と
クリソツに描かれたマルゲリータぁぁぁ???

お父ちゃんが弱々しい笑顔を浮かべて、たそがれながら娘との日々を
思い出す図は容易に想像できるが…。
ラヴェルにインスピレーションを与え、20世紀初頭のパリで
貴族女性の間で大人気だったこの曲の源が、あのマルゲリータの絵……?? 
(´ヘ`;)

ううう〜ん、知りたくなかった。

いや、50万歩譲って、実はマルゲリータは激マブ(死語)で、
ちっともお父ちゃんに似ていなかったとしよう。
あの絵に描かれたマルゲリータは、当時の権力者(フェリペ4世)の
(娘びいきなうえに究極なまでのナルシシズム)嗜好により
歪曲された表現だったしよう。

それでも、理解できん。
あの絵を見てあの曲を作曲するって…どういうことよっ!!

あぁぁぁぁぁ、
私の中の王女像が、音をたてて崩れていくぅぅぅぅぅ〜!!!
ドンガラガッシャーーーーッン!!


ラ、ラヴェル。
君が分からんよ。ほんまにもー。

なんか、振られたあげく、
「実はぼかぁ、彼女のことが好きなんだ」と言って男が指差した先に
めちゃくちゃ不細工な女がいた

くらいな衝撃を受けました。
(そんな状況になったことは一度もないが。想像、想像)

ちなみに、お世辞にもいい男とは言えないフェリペ4世は、こちらで
拝むことができます。
サルヴァスタイル美術館(こんな素敵な美術館があったとは)
http://www.salvastyle.com/
http://www.salvastyle.com/menu_baroque/velazquez.html

マルゲリータで有名な「ラス・メニーナス」(女官たち)のほんまもんは、
プラド美術館にありまふ。

ヴェラスケスって、マルゲリータ以外にもどっかの王女を描いたのかな〜??

コメント

ちょろのすけ
ちょろのすけ
2006年4月22日9:51

亡き王女へのパヴァーヌ、と聞くと「ダンシング・ジェネレーション」だったか「NY・バード」だったかを思い出すおいら。たったワンシーンだったのに、なぜか心に残っていたり。

天照大神
天照大神
2006年4月22日10:44

懐かしい…『ダンシング・ジェネレーション』と(ほとんど読まなかったけど)『NY・バード』。
あれですよね。ダンサーになりたい少女の根性物語。
最初は日本でダンサー修行に励んでいる(『ダンシング―』)んだけど、恩師がいるNYに乗り込んでいってみたら(『NY』)、恩師はミュージカル俳優(だったか、そのダンス教師)になっていて、自分も転向。その間、ず〜っとついてくる若い男あり。
若い男と恩師の一騎打ちの恋愛バナあり。「私は平凡な日本人。でも、ダンスが好き。だからがんばるわっ」っつー、主人公の北島マヤ(『ガラスの仮面』)ばりの素人くささが物語の主軸になっている、という話。
槇村さとるが描いたあれですよね! ちょっと『エースを狙え』のひろみと宗方のかほりがするまんが。

そうか…。あれに出てきたんですね。『亡き王女の―』。
私の中で『ボレロ』はめちゃくちゃバレエと結びつきが強いんですけれど、
『亡き王女―』にはそれがなかった……。元々お貴族のサロンかなんかで踊るための曲だったみたいなんですよね、そういえば。

nophoto
王子
2006年4月23日13:33

亡き王女のためのパヴァーヌは「pavane pour une infante d?funte」というのだけれど、
このタイトルの示すところは実ははっきりしていないのではなかったかな。
infanteがスペイン語のinfantaから来ているところから
スペイン皇女を示すという説はあるけれど、
infante とd?funteの言葉遊びという説もあるよ。
それはともかく僕もとても好きな曲です。

天照大神
天照大神
2006年4月23日14:20

あ、そうなんだ。いや〜、よかった〜。
いや〜、曲線が優美な(←表現がアレですんません)曲だからさ〜、
頭の中でいろいろ想像してたのに、あんな噂を聞いちゃったので
いきなり映像が目に浮かんじゃって激しく動揺してしまったのよ。
例えて言うならば、生まれて初めて夜這いに行った先が、末摘花の君だった、みたいな。

ところで、「infante」って、「子供→王様の子供→王女とか王子」って意味?
(王様とはどこにも書いてないと思うけど)
「d(ここ文字が化けてる)funte」って、「of 葬式関係(funeral)→亡くなった」って
意味?? 
すんません。私のフランス語の知識はのだめと峰君のドイツ語程度だと思われ。
゜・(ノД`)・゜

nophoto
王子
2006年4月24日1:19

infante=(スペイン・ポルトガルの)内親王、王女
defunte=亡くなった、故〜
(共に女性形)
です。

天照大神
天照大神
2006年4月24日23:21

な〜るほど。
eで終わるのが女性形なのか。
勉強になりました!
ありがとうございまっする。

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