怖いもの

実は、私にはめちゃくちゃ怖いものがあった。

冗談じゃなく、それを見ると

1、脂汗が出てくる

2、熱が出る

3、吐き気がする

4、力がぬける

5、倒れたくなる　（←「倒れそうになる」じゃないところがミソ）

ちなみに、なぜ「倒れそう」じゃなくて「倒れたくなる」なのかというと―

本当に倒れて、目でもつむった瞬間、まぶたにその姿が浮かびあがりそうで怖いから

で、実はその怖かったものは、私にとっては大迷惑なことに、
世間様にとっては考古学的にも美術的にも価値があるものなんですわ。

だから、たま〜に日本の博物館とか美術館に来るわけですよ。
わざわざ飛行機だか船だかに乗って。外国から。
で、それを呼んだ博物館とか美術館は、それこそ総力あげて宣伝するわけです。

「××博物館　××××展　蘇る黄金なんちゃら」

蘇らせるな〜!!!!　（絶叫）

もう、街中いたるところにそれのアップのポスターがベタベタ貼られた日には、
顔を上げて歩けないわけっすよ。゜・(ノД`)・゜

それから、不用意に振り返ってみるのもNG。
何かの拍子にそれが視界に入ってきた日には、心臓バクバク、冷や汗タラタラ。
会期が終わるまで生きた心地もしないわけです。

だから、昔、好きな男と（外国の）博物館ででえとしたときに、
いきなりそれが現れた（←常設展示だったことを知らなかった）ときには、
「もーこんな国、二度とこない。ぜってぇ来ない!!（心の叫び）」と
強く激しく思ったわけですよ。
で、私は目をつむって相手の手を強くにぎりしめて出口まで
誘導してもらったわけですが、相手がそれでロマンチックな気分に
浸ろうがなんだろうが、こっちは叫んで走り出したい衝動と戦っていたわけで……。

もー、本当にイヤ。
存在自体が許せん。
そんなもん、ブっ壊してしまえーーーーーー!!!

っつーか、大英博物館とか、ルーブル美術館!!
テメーら、バカか？
エジプトだまくらかして、あんなもん展示してるなんて。
オーイオイ　゜・(ノД`)・゜

私はなー、私はなー!!!
あんなものと一緒に一晩部屋に閉じ込められるくらいなら
中味（←ミイラ）と一緒に一晩部屋に閉じ込められた方がマシなんだよーーーー!!!

ガァーーーーーーーーーーー!!!　ヽ(`Д´)ノ

っていうか、そんな状況ありえません。

っつーわけで、どうしてその恐怖症を克服したかはさておき、
なんとかどうにか克服したわけです。
でも、まぢ、好きにはなれない…。
どうしてあんなものを見るために、みんなが金を払うのか
理解できん。