11月02日付 ニュース 政治の報道「香田さん死亡、政府に衝撃・自衛隊派遣延長論議に影響も (rd.nikkei.co.jp)」へのコメント:
今までの報道から、香田さんの行動がなんとなく見えてきた。
事件の1報を聞いたときは、「観光でイラク入り」だなんてあまりに無謀で無防備なままイラクに行ってしまった若者がいたものだと思ったが、どうやら香田さんはイラクに関する情報をあまり知らないままイラク入りしてしまったようである。
香田さんはワーキングホリデービザを取得して、1月からニュージーランドに滞在していたという。友人には、英語ができないから仕事がみつからないとこぼしていたという。となると、先にジャーナリストやボランティア活動をしている日本人3人が誘拐されて無事保護されたことや、彼らの行動に関連して自己責任論争が巻き起こった経緯など、知らなかった可能性が高い。
ニュージーランドに日本語のメディアがまったくなかったということはないだろうが、香田さんがそうしたものに触れていなくても不思議はない。となると頼みの綱は英語で書かれた現地の新聞だが、新聞は読み慣れないと読めないものだ。おまけに、日本のニュースがそう大きく取り上げられるとは限らない。彼は、イラクでアメリカ人やそのお友達が次々と誘拐されて命を落としている現実を知らなかったのだろう。
悲惨な現実(イラク内の治安の悪化)を知らなかったとすれば、香田さんのように海外に出て行きたいとか、ボランティア活動に興味があるという若者が、イラクの現状を自分の目で見て確かめたいと思うのは自然な流れだったんじゃないだろうか。
インターネットへのアクセスを持たなければ、いくら外務省がサイト上でイラクに関する危険情報を発してイラク全土からの退避を勧告したとしても、それを知る術がなかった。(退避指示・命令でなくて、勧告なのはどーよと正直思う。建前上、非戦闘地域としているために、勧告止まりなのか?※) アクセスを持っていたとしても、外務省のサイトにアクセスすること自体が、彼の頭にまったくなかった可能性も否めない。
※首相によると、渡航禁止令は出せないらしい。
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiradio/2004/0417.html
若者にありがちな過信も当然あっただろう。
何があっても生きて帰ってこれるという過信。
若さで何でも乗り切れるだろうという見通しの甘さ。
何もかも、情報不足と(人生)経験の少なさからくるものだと思えて仕方ない。だから、今回の行動で彼を責めることはできないだろう。
今、日本で洪水のように流れてくるイラク情報に接する私たちは、今時イラクに出向くのは自衛隊員くらいだろうと思っている。しかし、今後、香田さんのようにイラク入りする民間人がまったく出なくなるとは限らない。現に、先の3人の誘拐事件後に、私たちは「今時イラクにいく人なんか自衛隊員以外にいないだろう」と思っていたのに、香田さんはイラクに向かった。アメリカに目を転じれば、いわゆるテロ集団に誘拐されて殺害された民間人が少なくない。アメリカからでさえ、それ相当数の民間人がかの地に入っていた。
フィリピン政府のようにイラクへの渡航を禁止してしまえば、それで話が済むというわけでもないらしい。たとえフィリピン政府がそう決めたとしても、その決定や情報を受け入れる側のイラク政府が混乱していれば、イラクの入国審査官にその情報が伝わらない可能性が高い。現にイラク入りするフィリピン人の労働者は後をたたないらしい。
この事件を見るにつけ、聞くにつけ、情報を発信することと情報を求めることの大切さを思い知らされる。情報を受け取ったら、それを使って正しい判断をすることが重要だ。
今回の件に関連して、外務省は外務省でもっと分かりやすく受け入れられやすい危険情報を提供するべきだと思うし、渡航者は渡航者で外務省を始めとする情報提供者からしっかり情報を得る必要があると思う。
(何度見ても思うが、外務省のサイトは見にくくて利用しにくい)
今までの報道から、香田さんの行動がなんとなく見えてきた。
事件の1報を聞いたときは、「観光でイラク入り」だなんてあまりに無謀で無防備なままイラクに行ってしまった若者がいたものだと思ったが、どうやら香田さんはイラクに関する情報をあまり知らないままイラク入りしてしまったようである。
香田さんはワーキングホリデービザを取得して、1月からニュージーランドに滞在していたという。友人には、英語ができないから仕事がみつからないとこぼしていたという。となると、先にジャーナリストやボランティア活動をしている日本人3人が誘拐されて無事保護されたことや、彼らの行動に関連して自己責任論争が巻き起こった経緯など、知らなかった可能性が高い。
ニュージーランドに日本語のメディアがまったくなかったということはないだろうが、香田さんがそうしたものに触れていなくても不思議はない。となると頼みの綱は英語で書かれた現地の新聞だが、新聞は読み慣れないと読めないものだ。おまけに、日本のニュースがそう大きく取り上げられるとは限らない。彼は、イラクでアメリカ人やそのお友達が次々と誘拐されて命を落としている現実を知らなかったのだろう。
悲惨な現実(イラク内の治安の悪化)を知らなかったとすれば、香田さんのように海外に出て行きたいとか、ボランティア活動に興味があるという若者が、イラクの現状を自分の目で見て確かめたいと思うのは自然な流れだったんじゃないだろうか。
インターネットへのアクセスを持たなければ、いくら外務省がサイト上でイラクに関する危険情報を発してイラク全土からの退避を勧告したとしても、それを知る術がなかった。(退避指示・命令でなくて、勧告なのはどーよと正直思う。建前上、非戦闘地域としているために、勧告止まりなのか?※) アクセスを持っていたとしても、外務省のサイトにアクセスすること自体が、彼の頭にまったくなかった可能性も否めない。
※首相によると、渡航禁止令は出せないらしい。
http://www.kantei.go.jp/jp/koizumiradio/2004/0417.html
若者にありがちな過信も当然あっただろう。
何があっても生きて帰ってこれるという過信。
若さで何でも乗り切れるだろうという見通しの甘さ。
何もかも、情報不足と(人生)経験の少なさからくるものだと思えて仕方ない。だから、今回の行動で彼を責めることはできないだろう。
今、日本で洪水のように流れてくるイラク情報に接する私たちは、今時イラクに出向くのは自衛隊員くらいだろうと思っている。しかし、今後、香田さんのようにイラク入りする民間人がまったく出なくなるとは限らない。現に、先の3人の誘拐事件後に、私たちは「今時イラクにいく人なんか自衛隊員以外にいないだろう」と思っていたのに、香田さんはイラクに向かった。アメリカに目を転じれば、いわゆるテロ集団に誘拐されて殺害された民間人が少なくない。アメリカからでさえ、それ相当数の民間人がかの地に入っていた。
フィリピン政府のようにイラクへの渡航を禁止してしまえば、それで話が済むというわけでもないらしい。たとえフィリピン政府がそう決めたとしても、その決定や情報を受け入れる側のイラク政府が混乱していれば、イラクの入国審査官にその情報が伝わらない可能性が高い。現にイラク入りするフィリピン人の労働者は後をたたないらしい。
この事件を見るにつけ、聞くにつけ、情報を発信することと情報を求めることの大切さを思い知らされる。情報を受け取ったら、それを使って正しい判断をすることが重要だ。
今回の件に関連して、外務省は外務省でもっと分かりやすく受け入れられやすい危険情報を提供するべきだと思うし、渡航者は渡航者で外務省を始めとする情報提供者からしっかり情報を得る必要があると思う。
(何度見ても思うが、外務省のサイトは見にくくて利用しにくい)
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