カントの恐怖再び in ワルシャワ (市内観光編)
2001年11月19日さて、終始小走りで観光をしていた私だが、
ときには立ち止まり観光客らしいことをしてみたりした。
「あれ、食べない?」
観光案内人、ペンパルのマーちゃん(仮)の指の先には
「LODY」という看板を掲げた小さな店があった。
ここは、ワルシャワの旧市街。
中世の街並みが広がる中で、その「LODY」の店には人がたかっていた。
私「何、あれ?」
マー「LODYだよ。」
私「だから、何それ?」
マー「行けば、わかる。」
LODYは日本でいうところのアイスクリーム屋さんだった。
(アイスクリーム屋というべきか、ソフトクリーム屋というべきか悩むところだが。
それとも、あの食べ物自体を指すのか? まぁ、いいや。)
このLODYとやら、観光ブックにも載っている。
どうやらポーランド名物の1つらしい。
しかし、ちょっと待ってくれ。
確かにそれは9月の中旬だったが、私は
長袖のウールのセーターにダウンのジャケットを着て、
手を揉みながら小走りしていたのだ。
何度も言うが、ダウンのジャケットを着て、
手を揉んでいたのだ。
その私に「アイスクリームを食わんか?」と聞くのか??
私「食べるっ!!」
私は好奇心に負けたのだった。
あぁ〜、こんなところで高速超特急トイレ行きになったらどうするんだ??
周りを見渡すとトイレに入るにはどっかのレストランかなんかにでも入るしかないように見えた。
ただでさえ、おニューのウォッシュレット付きトイレ(http://www.note.ne.jp/diary/11610/20001118/カントの日記前後を参照ください)で
甘やかしてしまったお尻にこんなところで何か起きたら……(一体何か起きるというのだ??)
と思いつつ、恐る恐る私は言った。
私「バニラ。シ、シングルで……。」
と、かぶさるようにデカい声が後ろから響いた。
「ダブルでっ!!!」
降りかえると奴がいた。
真剣な顔だ。
眉間に皺がよっている。
マーちゃんは言った。
「シングルじゃ少なすぎる。」
お、おまえ〜!!!
私は寒いんじゃ〜!!!
腹をこわすかもと心配しながらも好奇心に
負けたこの私の思いを知らずに〜。
被害にあったとしてもそれを最小限に食い止めようという、
この私の思いを踏みにじる気かぁ〜?!?!?!
訂正しようと前に振りかえると、店員さんは既に私のLODY(バニラ・ダブル)を差し出し営業スマイルをしていた。
(うっ……。 く、くそ〜。 くそ〜。)
などとタイムリーなつぶやきを心の中で復唱していると、
やはりLODY(ブルーベリー・ダブル)を手に
じっと私のLODYを見つめる奴と目が合った。
私「これ、味見する?」
マー「やだよ。バニラなんて味ないじゃない。」
おんどりゃ〜!!!
なんだか釈然としないまま、私は旧市街でのマーちゃんとの散歩をぞっこうすることにした。
あ〜、釈然としない。
釈然としないといえば、そのLODYの味も釈然としなかった。
う〜む、日本のアイスとどう違うのだ??
きっと、ここは土地柄アイスが珍しいのだな。
寒い地方の人達にとっては、短い夏の間にアイスのような冷凍甘味を
食するのが一種のオシャレなのに違いない、と無理矢理自分を納得させた。
−−−−−−−−
中世の街の外れには砦跡がある。
その砦跡から街の郊外を望むと、空に
雲の割れ目から光が降りてくるのが見えた。
その光景にはっとした。
その光には見覚えがあったのだ。
西洋の宗教画や風景画に出てくる、あの柔らかい太陽の光だ。
ちょっと思い出していただきたい。
日本で同じ状況になった場合、つまり雲間から太陽の光が差している場合、その光は光の帯に見えるはずである。直線的でやや鋭い光の筋が地上に降りていくのが見えるはずである。
ところがポーランドでのそれは違った。
細くて繊細な光の糸が何本も何本も雲間から地上に優しく降りていくように見えるのだ。
つまり、これは光の強さ(弱さ)ゆえにそう見えるのだ。
太陽の光は、赤道に近い国では「烈しい、強い」などという形容詞とセットで語られることが多く、時には有害なものにもなり得る。
しかし、ここ東欧では、あたりを照らしてくれる優しい「恵みの」光の束なのだ。
まさに天からの贈り物ってなかんじなのだ。
実は私は大学で西洋絵画を勉強したのだが、
あの太陽光の描かれ方にいつも興味引かれていたのだ。
確かにヨーロッパでは、日本でより太陽光が弱いので、あのような描かれ方をしてもおかしくないはずなのだ。
頭ではそれがわかっていたのだが、しかし本物を見るまではそれが写実的な表現だとは思ってもみなかった。
な〜る。
やっと釈然とした(かもしれない)気持ちで散歩を続行した。
もちろん小走りでである。
トホホ(涙)
ところで、http://www.note.ne.jp/diary/11610/20011018/(10月18日の日記)の中で、
この旧市街は今世紀に入ってから復元されたと書いていたが、
もちろんそんなはずはなく、前世紀、先の大戦の直後の間違いである。
どうやら、私の頭はまだ前世紀のままらしい。
ところでついでに、すぐ下の日記の
死語「バリ」についてだが、これは死語ではないことが判明。
これは関西圏で広く使われている言葉らしい。
意味は「とても」「大変」「ものすごく」ということだ。
嘘を書いてしまいました。
死語ファンの方々、ごめんなさい。
この場を借りて、訂正させていただきます。
そして、情報をお寄せくださった方々ありがとうございました。
また間違いをみつけたら、ぜひ教えてください。
ときには立ち止まり観光客らしいことをしてみたりした。
「あれ、食べない?」
観光案内人、ペンパルのマーちゃん(仮)の指の先には
「LODY」という看板を掲げた小さな店があった。
ここは、ワルシャワの旧市街。
中世の街並みが広がる中で、その「LODY」の店には人がたかっていた。
私「何、あれ?」
マー「LODYだよ。」
私「だから、何それ?」
マー「行けば、わかる。」
LODYは日本でいうところのアイスクリーム屋さんだった。
(アイスクリーム屋というべきか、ソフトクリーム屋というべきか悩むところだが。
それとも、あの食べ物自体を指すのか? まぁ、いいや。)
このLODYとやら、観光ブックにも載っている。
どうやらポーランド名物の1つらしい。
しかし、ちょっと待ってくれ。
確かにそれは9月の中旬だったが、私は
長袖のウールのセーターにダウンのジャケットを着て、
手を揉みながら小走りしていたのだ。
何度も言うが、ダウンのジャケットを着て、
手を揉んでいたのだ。
その私に「アイスクリームを食わんか?」と聞くのか??
私「食べるっ!!」
私は好奇心に負けたのだった。
あぁ〜、こんなところで高速超特急トイレ行きになったらどうするんだ??
周りを見渡すとトイレに入るにはどっかのレストランかなんかにでも入るしかないように見えた。
ただでさえ、おニューのウォッシュレット付きトイレ(http://www.note.ne.jp/diary/11610/20001118/カントの日記前後を参照ください)で
甘やかしてしまったお尻にこんなところで何か起きたら……(一体何か起きるというのだ??)
と思いつつ、恐る恐る私は言った。
私「バニラ。シ、シングルで……。」
と、かぶさるようにデカい声が後ろから響いた。
「ダブルでっ!!!」
降りかえると奴がいた。
真剣な顔だ。
眉間に皺がよっている。
マーちゃんは言った。
「シングルじゃ少なすぎる。」
お、おまえ〜!!!
私は寒いんじゃ〜!!!
腹をこわすかもと心配しながらも好奇心に
負けたこの私の思いを知らずに〜。
被害にあったとしてもそれを最小限に食い止めようという、
この私の思いを踏みにじる気かぁ〜?!?!?!
訂正しようと前に振りかえると、店員さんは既に私のLODY(バニラ・ダブル)を差し出し営業スマイルをしていた。
(うっ……。 く、くそ〜。 くそ〜。)
などとタイムリーなつぶやきを心の中で復唱していると、
やはりLODY(ブルーベリー・ダブル)を手に
じっと私のLODYを見つめる奴と目が合った。
私「これ、味見する?」
マー「やだよ。バニラなんて味ないじゃない。」
おんどりゃ〜!!!
なんだか釈然としないまま、私は旧市街でのマーちゃんとの散歩をぞっこうすることにした。
あ〜、釈然としない。
釈然としないといえば、そのLODYの味も釈然としなかった。
う〜む、日本のアイスとどう違うのだ??
きっと、ここは土地柄アイスが珍しいのだな。
寒い地方の人達にとっては、短い夏の間にアイスのような冷凍甘味を
食するのが一種のオシャレなのに違いない、と無理矢理自分を納得させた。
−−−−−−−−
中世の街の外れには砦跡がある。
その砦跡から街の郊外を望むと、空に
雲の割れ目から光が降りてくるのが見えた。
その光景にはっとした。
その光には見覚えがあったのだ。
西洋の宗教画や風景画に出てくる、あの柔らかい太陽の光だ。
ちょっと思い出していただきたい。
日本で同じ状況になった場合、つまり雲間から太陽の光が差している場合、その光は光の帯に見えるはずである。直線的でやや鋭い光の筋が地上に降りていくのが見えるはずである。
ところがポーランドでのそれは違った。
細くて繊細な光の糸が何本も何本も雲間から地上に優しく降りていくように見えるのだ。
つまり、これは光の強さ(弱さ)ゆえにそう見えるのだ。
太陽の光は、赤道に近い国では「烈しい、強い」などという形容詞とセットで語られることが多く、時には有害なものにもなり得る。
しかし、ここ東欧では、あたりを照らしてくれる優しい「恵みの」光の束なのだ。
まさに天からの贈り物ってなかんじなのだ。
実は私は大学で西洋絵画を勉強したのだが、
あの太陽光の描かれ方にいつも興味引かれていたのだ。
確かにヨーロッパでは、日本でより太陽光が弱いので、あのような描かれ方をしてもおかしくないはずなのだ。
頭ではそれがわかっていたのだが、しかし本物を見るまではそれが写実的な表現だとは思ってもみなかった。
な〜る。
やっと釈然とした(かもしれない)気持ちで散歩を続行した。
もちろん小走りでである。
トホホ(涙)
ところで、http://www.note.ne.jp/diary/11610/20011018/(10月18日の日記)の中で、
この旧市街は今世紀に入ってから復元されたと書いていたが、
もちろんそんなはずはなく、前世紀、先の大戦の直後の間違いである。
どうやら、私の頭はまだ前世紀のままらしい。
ところでついでに、すぐ下の日記の
死語「バリ」についてだが、これは死語ではないことが判明。
これは関西圏で広く使われている言葉らしい。
意味は「とても」「大変」「ものすごく」ということだ。
嘘を書いてしまいました。
死語ファンの方々、ごめんなさい。
この場を借りて、訂正させていただきます。
そして、情報をお寄せくださった方々ありがとうございました。
また間違いをみつけたら、ぜひ教えてください。
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