原稿は・・・・・・・・・出なかった。

あああああぁ〜、私のクリスマスを返せ〜っ!!!
さて、と。
私は昔、某高級ブランド品を売ってたことがある。
(ちなみにこのブランドとティファニーが
 クリスマス前の店員の忙しさにおいては双璧をな す。)

クリスマス前ともなると、何組もの、ベタベタながらも
異様に目が殺気だったアベックのお相手をしたものだ。
11月の最終週あたりから、ハコ(その某ブランド品売り場)の中は
異常に忙しくなり、お手洗いに行くこともままならなくなる。

なにせ、通常は1組のお客さんのために
多いときは30分程の時間を割いて、応対しているのに
この時期はいっぺんに1、2組は当たり前。
多いときには3〜5組に応対することになる。
頭をこんがらせながらもなんとか無事に乗り越えられるのは
個々のお客さんがあまりにも特徴のある(笑)アベックだから。

さて、個々のお客さんがどんな風に特徴があるかというと・・・・・・・、パターンとしては

1、前々からプレゼントに関する
  2人の協定がしっかり結ばれている場合。
  (または、彼女が所望した商品が、
   彼氏の財産に見合うだけのものの場合
   
   → 接客時間は10分〜15分程度
     本来なら5分〜10分程度だが、
     包装がクリスマス仕様なので
     多少時間がかかる。

   →ので、記憶に残らない場合が多い。

2、「ここでプレゼントを買う」という協定は
  出来ていたものの、「何」を買うかが決まって
  いなかった場合。

  2a、彼女の欲しいブツと彼氏がプレゼントしたい
     ブツが違う場合(こだわり彼氏の場合)

  2b、彼女の欲しいブツを買うのに見合った財力を
     彼氏が持ち合わせていなかった場合

3、おやぢとその愛人

4、なんとなく入ってきてしまったアベック


3のパターンは結構普段でもありがちなので
やはり1と同様、記憶の外に「さようなら〜」という
パターンが多い。
この人達はバリバリ金払いがいいので
ちょっと感謝される。笑) 
注:これはバブルの頃の話である。

そう、問題は 「2」 である。
とにかく応対に時間がかかる上に、実入りが少ないのだ。
たまに営業妨害もしちゃうことがある。

クソ忙しいとはいえ、目の前で繰り広げられる
アベックのイチャイチャぶりには
(実は)それほど困惑もしないし、イライラもしないものである。
ちょっと内心、「どんどんイチャイチャして
        どんどん買ってってねぇ〜。」
などとこちらも商人根性を丸出しにしているので
痛くも痒くもない。
「迷ってもいいのよ〜。
 しっかり迷って買い物にしてねぇ〜。
 時間をかけていいのよ〜。
 そのかわり、絶対(!!!)返品しないでっ!」
ってのが、まぁこちらサイドの正直な気持ちだったりするわけだから。

しか〜し、困っちゃうのは、
そしていつまでも記憶に残るのは
目の前で「喧嘩」を始めるアベックである。

特に、2aパターンの「こだわり彼氏」。
実は、こういうアベックの場合、彼女の方がこう思っていることがよくあるのだ。

(私ぃ〜、普段は彼氏の趣味に付き合ってるしぃ〜、
 クリスマスくらいは〜、私の好みの物をプレゼントして
 もらってもいいわよねぇ〜。)

こういう彼女は、普段我慢に我慢を重ねているので
クリスマスの時くらいは気分的に「彼女上位」に
してもらいたいと強く希望しているのだ。

ところが、彼氏の方は彼氏の方でこんなこと思ってたりするのだ。

(今日はクリスマスだぜ。 完璧に決めなきゃ。
 本当は事前に買ってってレストランで
 渡したいところだが、今日は特別彼女が欲しい物を。
 さて、彼女はどんなものが欲しいのかなぁ?

    ・・・・・・・・・・・ウゲ。)

「おいおい、そんなのやめろよ。
 趣味悪いよ〜。 

  ↑ 値段が高いとは決して言わない。 笑)

 こっちのにしろよ。」
         
  ↑ 結局自分の趣味を押し付ける。

彼女「え〜!!! 
   私、前からこのバッグが欲しいと思ってたのに〜!!」

彼「何? お前、そんな趣味だったのか?」

彼女「いいじゃない。 何よ!!! 
   あなただって、XXXで、YYYのくせに!!
   きぃ〜!!!!」

と、まぁ、こんなわけで
醜くバッグでお互いを叩き合うということになるのだ。
こうなるともう手がつけられない。笑)
半径3m(つまり彼女のバッグが振り回される距離)には
もう、誰も近づかなくなる。

そんな時に、別のお客さんから
「あの〜、あそこにあるバッグ見たいんですけど」と、
喧嘩アベックの半径2m以内のウィンドウなんか
指差されたりすると悶絶モノである。
断るわけにもいかず、
「少々、お待ちくださ〜い」と横目で喧嘩アベックの状況を確認しちゃったりする。
あまりにも喧嘩カップルの状態が悪い場合は
この「あの〜、あのバッグ」のお客さんは
「少々」どころか永遠に待たされるのである。

さて、忘れた頃にやってくる4だが、
このアベックは確実に忘れられた存在になる。
この時期は「私はココで買い物をしますっ!!」と
自己主張しない人達は「いないもの」とされてしまうのだ。
だって、忙しいんだも〜ん。

たとえ現場では、
「くそ忙しくて個々のお客さんなんて覚えてられな いわ〜」
と言っていたとしても
クリスマスが終わってみれば
必ず1組や2組は強烈なお客さんを
思い出すはずである。

クリスマスのかきいれ時が終わると
そんな「強烈」なお客さん達の話を肴に
慰安宴会を開いちゃったりするのである。

恐らく、ホテル業界を始めとする他のサービス業の
方々も同じなのでは?

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